気温もだいぶ暖かくなり、週末やゴールデンウィークなどの連休に潮干狩りを楽しむ季節がやってきましたね!
この前までまだ、暖房器具が必要なほど寒かったのに、暖かくなる時はあっという間ですね。
しかし、そんなちょっと開放的になりがちな季節の潮干狩りにはちょっと注意が必要なんです。
それは「貝毒」です。
もしかしたら聞いたことがあるかもしれませんが、この貝毒が含まれている貝類で一番メジャーなのが牡蠣です。
よく「牡蠣は当たったらやばい」などといいますが、それがまさに貝毒の仕業なんです。
「ん?潮干狩りはアサリだよ?」
と思う方も多いとは思いますが、実はアサリにもこの貝毒が含まれている場合があるんです。
楽しい潮干狩りのシーズンなのに、なんだか怖いですね!
そこで今回は、その「貝毒」の原因や症状、人にうつるのか、加熱すれば毒はなくなるのか、ということについてご紹介していきます。
貝毒の原因
貝毒の原因は「エサ」にあります。
牡蠣やアサリをはじめとする、上下2枚の殻で覆われている貝類を「二枚貝」といいます。
二枚貝は他に、ホタテやハマグリなどがありますね。
そしてこの二枚貝は、海中を漂うプランクトンをエサにしていて、そのエサとなるプランクトンの中には「有毒プランクトン」という厄介なのがいて、それをを食べてしまった貝に毒が蓄積されていきます。
その毒が蓄積された貝を人が食べてしまい中毒症状を起こすことを貝毒といいます。
貝毒の症状
日本では主に、以下の2種類の症状があらわれます。
麻痺性貝毒
この麻痺性貝毒は、フグの毒による中毒症状と似ています。
食べてすぐ(30分以内)に症状が表れ、舌や唇などがシビレてきて症状が重くなった場合、だんだん全身にシビレが広がってしまい、全身が思うように動かせなくほどの症状が出ることがあります。
あくまで最悪の場合ですが、呼吸困難に陥ってしまうと12時間以内に息を引き取ってしまう可能性もあり、早ければ2時間以内にとも言われています。
この麻痺性貝毒の対処法は、とにかくできるだけ早く食べた物を吐き出させるようにして、その後はすみやかに病院に連れていき適切な処置を受けることです。
下痢性貝毒
この下痢性貝毒がもしかしたら一番一般的な症状かもしれません。
一般的にみなさんがイメージする牡蠣を食べて当たったと言われるような症状です。
下痢、嘔吐、吐き気、腹痛が主な症状で、食べてから30分〜4時間ぐらいで発症することがほとんどです。
ほとんどの場合、安静にして十分に水分補給をして貝毒を体外へ排出することで治まる事が多いです。
症状はだいたい3日もすれば完全に治まりますし、普通の人が食べる量なら命に別状はありません。
とは言っても、下痢、嘔吐、腹痛などが3日も続くと想像すると恐ろしいですね。
下痢性貝毒になってしまった場合の対処法は、やはり水分補給が一番です。
下痢や嘔吐で身体が著しく水分を失った状態が続きますので水分補給は必須ですし、何より体内の貝毒を早く外に出してしまう必要がありますからね。
貝毒はうつるの?
この貝毒が他人にうつるのかどうかということですが、残念ながらまだそのような情報なないようです。
ただ、似たような症状、感染経路のノロウィルスは他人にうつりますので、貝毒の場合も同じように考えて対処した方がいいでしょう。
ノロウィルスの感染経路は主に3つ。
- 接触感染
- 飛沫感染
- 空気感染
となります。
このノロウィルスの感染経路については、もう数年前から散々言われていることですので詳細の説明は省きますが、貝毒も同じように対処した方がいいでしょう。
加熱すれば貝毒の毒はなくなる?
こちらもノロウィルスとの比較になりますが、ノロウィルスは85℃以上のお湯などで1分以上加熱することによって毒は死んでしまいますが、貝毒の毒はいくら加熱してもなくなりません。
いくら加熱してもなくならないなんて怖いですね。
では、どうやって安心して潮干狩りを楽しめばいいのでしょうか。
それはやはり、地元の漁協などが潮干狩りのために管理している有料の海岸を利用することです。
貝毒情報はもちろん、東日本では放射能検査を行っているところもあるほどです。
さらに満潮情報なども漁協ならきちんと管理していますから、お子さんなどと一緒に潮干狩りを楽しむのには最適ですね。
今回の貝毒の情報もそうですが、満潮などの情報もちゃんと事前にチェックして、安心して潮干狩りを楽しみましょう!